縦書きと横書きの文章どちらが読みやすいの?
縦書きと横書きの文章どちらにしたらいいの?
このような疑問にお答えします。本記事の内容は以下の通りです。
- 縦書きと横書きの文章の読みやすさを比較した研究結果
- 縦書きと横書きの文章のメリット
- どんな文章が縦書き、横書きに向いているのか?
縦書きと横書きの文章を読みこなす日本人
日本語の文章では縦書きと横書きの文章が混在しています。本、新聞には縦書きの文章が多く、雑誌であれば両方混ざっています。
例えば、チラシ広告やインターネット記事であれば横書きの文章が多い印象を受けます。
縦書きだろうと横書きだろうと読み進めることのできるように我々は教育を受けてきましたが、“読みやすさ”という点においてはどちらが優れているのでしょうか。
縦書きの文章と横書きの文章の読みやすさを比較した研究
まずは、こちらを読んで下さい。
視線移動の速度は横書きのほうが速く,固視回数は縦書きのほうが有意に多かった。
出典:縦書き・横書き文章における読書時の眼球運動の比較
なんとなく、横書きが速そうだと分かりますね。 固視という単語が出ました。これも調べてみます。
固視:見ようとしている物体(固視目標)の像を網膜の中心(中心窩)でとらえること
出典:日本弱視斜視学会 専門用語の説明
縦書きの文章では視線が文字に釘付けになって、一文字ずつ認識していくという状態です。
それに対して、横書きの文章では周辺視野によって周囲の文章も認識することができ、文章を読み飛ばしやすいのです。
例えると、縦書きの文章が階段のように一歩ずつ登るとしたら、横書きの文章はエスカレーターのようにスーっと進んでゆくイメージです。
ですから、横書きの文章の方が読みやすいと言えます。
スラスラと読んでもらいたいなら、横書きで書くべし。
さて、では縦書きの文章は用途がないのかと言えばそうではありません。何ごとにおいても別の側面があるのです。
あえて、縦書きにする効果
いちいち視点が固定されるということは、縦書きの文章の効果は読みにくくすることである、と言えます。
普通、文章というものは誰かに読んでもらうためにだけ存在するものですから、横書きにしたほうが読みやすく、また読まれやすいと思います。
しかし、あえて縦書きの文章にすることで読みにくくなり、注意深く読ませることができるのです。
例えば、契約書や注意書きなど、誤解を生んでもらっては困るような文章の場合、縦書きにすることで精読率を上げることができるのではないでしょうか。
街中にある看板で文字が上下逆さまになっているものを見たことはありませんか?あのような看板は一瞬、読みづらさを感じさせることで、意識して読ませ、精読率を上げる効果があります。
ですから、手紙、名刺、弔電などの重要なものは縦書きにした方がより注意して読んでもらえることに繋がると思います。
精読してほしい文章は縦書きにするべし。
縦、横でもない「聴く」という選択肢
読むのも長時間続けていると疲れを感じるものです。休憩時間にでも「聴く」を試してみませんか?オーディオブックについて、合わせてお読み下さい。
おわりに
すべての物事にはメリットとデメリットがあります。メリットばかりを見ているだけでは重要なことを見落としてしまうと思います。
デメリットも別の視点で見なおせば、”これほど良い物はない”っといったことも往々にしてあります。多角的な視点で物事を見る力を身につけていきたいものです。