記憶が維持できると話題のガムは効果あるの?
とても胡散臭いよね
これで記憶力UPするなら噛む噛む
こんなことにお答えする。本記事ではガムに関する論文を参考にしつつ「記憶を維持するガム」に効果があるのかを紐解いていく。
ロッテの記憶を維持するガム
このガムは中高年向けに販売されているが、ほかにも中国の受験生に人気があるという。本当に記憶が維持されるのであれば、これほど便利が良いものはない。
このガムの何が記憶力を高めるのか?
「記憶を維持するガム」にはイチョウ葉エキスが含まれている。これが記憶力を維持するという効果の一端を担っているのだろう。
以下の論文では、イチョウ葉エキス600mgの投与が記憶力を増大させるという結果をもたらした。
≫ Activity of Ginkgo Biloba Extract on Short-Term Memory
では、「記憶を維持するガム」は600mg以上のイチョウ葉エキスが入っているのだろうか。
まずは、同じロッテの9枚X15個入りのガムと重さを比べてみた。 「記憶を維持するガム板」は、重さ458g。比較対象のガムも同じで重さ458g。
原材料の欄は使用した重さの割合の高い順に表示されている。「記憶を維持するガム板」は、イチョウ葉エキスが3番目に書かれている。重さが同じである以上比較できない。
次に、「記憶を維持するガム板」と「記憶を維持するガム粒」を比較してみる。こちらは重さ381gでイチョウ葉エキスとガムベースが2番目に多い。
- 「記憶を維持するガム板」はガムベースよりもイチョウ葉エキスが多い。
- 「記憶を維持するガム粒」は、同じ。
- 「板タイプ」が458gだから458/15個/9枚で3g/枚
- 「粒タイプ」が381gだから381/15個/12粒で2.1g/粒
外装込みで、この重さだ。1枚や1粒に600mg以上のイチョウ葉エキスが入っているのだろうか?私は入っていないと考える。その根拠として以下を挙げる。
ドイツの医薬品の規格を目安とした。さらに医薬品としてイチョウ葉エキスが一般的に1日120mg 程度服用されている
イチョウ葉エキスにはギンゴール酸というアレルギー物質が含まれている。医療品として扱う国では、ギンゴール酸の除去が行われている。日本では成分規格がなく、どのような処理が行われているかは分からない。
だが、アレルギー物質が含まれる以上、他国の規格を参考にしないはずはない。食品安全性に厳格な日本で、一度に600mg以上のイチョウ葉エキスを摂取させる状況にするとは考えられない。
よって、1枚、あるいは1粒には記憶力を高めるだけのイチョウ葉エキスは入っていないと考える。
ガムでなければいけないのか?
次に浮かぶ疑問は、はたしてガムである必要があるのか?ということだ。 以下の論文を参考にしてみる。
こちらの記憶とガムに関する実験では被験者は4つのグループに別れた。
- 何も与えられない群
- ガム咀嚼群
- イチョウ葉タブレット群(成分のみ摂取)
- イチョウ葉エキス入りガム咀嚼群
1,2,3のグループと比較して、イチョウ葉エキス入りガムを噛んだグループの記憶力が上がった。つまり、記憶力はイチョウ葉エキスの摂取とガムを噛む行動という2つの要素揃った時に向上すると考えても問題ないようだ。
おわりに
結論として、イチョウ葉エキス+ガムという組み合わせが記憶力を高めると言っても問題ないだろう。
しかし、このような商品は、実験で使用されたものと違い医薬品ではない。そのため、異なる結果をもたらす可能性もあることを承知の上で使用してもらうとよい。
ちなみに”小林製薬の栄養補助食品”であれば、1日分の3粒で120mgのイチョウ葉エキスを摂取することが可能だ。ガムでは物足りない方におすすめ。もちろん、よく噛んで摂取しよう。