オーディオブックを利用することで、貴重な時間を効率良く使うことができる。そして、大量にインプットすることによって、あなたは一気に成長するだろう。
だが、オーディオブックについての知識が乏しいままでは、それが良いものなのかどうかも判断できない。
「オーディオブックってどんな効果あるの?」
「読書とオーディオブックに違いはある?」
「無料でオーディオブックを使いたい!」
このような疑問が浮かんでくるのではないだろうか。本記事を読み、オーディオブックを知り尽くし使いこなせばインプット時間を簡単に30%は増やすことができるだろう。
私の場合、40%ほどインプット時間が増えている感覚だ。「40%は言い過ぎだろ。」と疑いの目で見るかもしれないが、実際にオーディオブックを試して効果を体感してほしい。
まずは、オーディオブックとは何か?について伝える。
オーディオブックとは何か?
本記事で取り上げるオーディオブックとは、「もともと文章であったものを音声に変換したデータ」を指す。
たとえば、以下の3つだ。
- 企業の提供する書籍朗読サービスの音声データ
- 機械音声で作成された音声データ
- 自作の朗読音声データ
つまり、人が読み上げた録音データや機械による音声データだ。聞いた話をテキスト化し、それを読み上げたものもオーディオブックとする。
オーディオブックって効果あるの?ないの?
こんな風に疑問に思うだろうが、ハッキリ言って効果は絶大だ。どんな効果があるのか。その答えはインプット時間が大きく向上するということだ。
そして、オーディオブックには多くのメリットが存在する。これから、その一部を多少なりとも紹介させていただく。
①いつでも聴ける
オーディオブックは時間に縛られることなく、聴こうと思えばすぐに聴けるというメリットがある。操作は簡単、おもむろにイヤホンを突っ込み、再生ボタンを押すだけでよい。
現代ではスマートフォンを持っていない人のほうが珍しい。外出するとき本を忘れることはあってもスマートフォンを忘れるのは少ないのではないだろうか。
オーディオブックはスマートフォンでいつでも聴けるのだ。
②どこでも聴ける
現代では“二宮金次郎”のように「歩き読書」をしていると大変危険だ。なぜなら、人やものにぶつかったり、階段から足を踏み外したりなんかする。気を付けていても、やはり注意力は本に向けられるのだ。
その点、オーディオブックは視線をどこへでも向けることができる。つまり、「歩き読書」は難しいが、「歩きオーディオブック」は簡単に楽しめるのだ。そのほか、仕事中、入浴中、ベッドの中でさえ聴くことができる。
≫ 「時短をもらたす「歩きながら読書」の7つのメリットとその危険性」
③再生速度を調節できる
オーディオブックは再生速度を自由に調整できる。再生機器やアプリ、ソフトにより変更できる速度は変わるが、多くの場合0.5~2倍速の範囲で調節可能だ。
速すぎて聴き取りにくければ0.5倍速を使用し、多くの情報を得たければ2倍速にするなど、目的に応じて自由に設定できる。
④目に負荷がかからない
オーディオブックは本での読書と違い、耳を使うため目に負担がかからない。目を閉じていても情報を仕入れることができる。
たとえば、スマートフォンやPCなどのディスプレイを一日中見つめて、目が疲労しているときでもオーディオブックを聴くことができる。これは、本での読書では出来ない利点だ。
⑤両手を自由に使える
本であれば、手を使いページをめくらなければ続きが読めない。オーディオブックでは、その必要がないため両手を自由に使える。
たとえば、キーボード入力中や筋トレ中、運転中など両手が塞がっている際でも問題なく使用できる。
⑤記憶に残りやすい
オーディオブックは読み手による感情表現が、ダイレクトに聞き手に響くのだ。機械音声では、人間のような抑揚表現はほとんど無い。
だが、朗読などのナレーターによる読み上げでは、抑揚表現がはっきりと現れる。シリアスなシーンであれば声を低く、強調したい箇所では声を張って読み上げる。
そういった感情表現で聞き手の印象も変わり、その箇所だけ特に記憶に残るといったことさえ起こるのだ。以下の論文では、文章を見た場合と文章を聴いた場合の記憶再現量を比較している。
ここで気になるのは以下の2つの点だ。
- 朗読では自分の言葉で書き起こしていた。
- 感情的な文章は聴いたほうが記憶に残りやすい。
上記の1では、テキストを見た方が記憶の面では成績が良かった。だが、「朗読では自分の言葉で書き起こしていた」とある。
単純に記憶するだけならテキストの方が良いかもしれない。しかし、自分の言葉で表現できるのは咀嚼した考えであり、単純に記憶するより役に立つ。
つぎに上記の2では、「感情的な文章では聴いたほうが記憶に残りやすい」とある。これは、小説など心情が揺さぶられる文章が記憶しやすいということだ。
オーディオブックの悪い効果
①複雑な文章に弱い
短時間に複数の複雑な文章を聴かされると、理解が追いつかない。そのため、何度も聞き直すことになる。以下の論文では視覚と聴覚どちらが記憶に残りやすいかを示した。
この論文の実験で提示した文章は以下のようなものだ。
- 工場の北側には~がある。
- 工場の東側には~がある。
このようなテンプレートに沿った文章が5問続く。提示後に質問に対してYesかNoで答える様式だ。結果、視覚で文章を見たほうが良い成績を残した。
良い効果で「記憶に残りやすい」と示したが、文章の種類によって記憶の定着ぐあいが変わるのだ。論理的な文章よりは、小説などのストーリー仕立ての文章の方が記憶に残りやすい。
②耳が疲れる
オーディオブックを長時間使用すると、耳への負担が大きくなる。物理的に痛みをもたらす場合もあるが、以下にそれらの対策を挙げておく。
- 自分の耳の穴に合ったイヤホンを使用する。
- 適度に休憩を挟む。
- 片耳ずつ交互に聴く。
- 音量を小さくする。
余裕があればノイズキャンセル機能のあるイヤホンを使用すると良い。ノイズキャンセル機能は周囲の雑音を除去してくれるため、音量が小さくても聴き取りやすくするのだ。
③図や挿絵を確認できない
オーディオブックは聴くツールなので、グラフや挿絵など目に直接訴えかける表現は使えない。たしかにグラフや挿絵の音声での解説はあるが、それだけでは理解に欠けるだろう。これの対策を以下に挙げておく。
- グラフや挿絵がある作品を避ける。
- 聴いた後、その箇所を本やWebで確認する。
- 読んだことのある作品を使用する。
あらすじで全体の流れをつかめるならば、こういった対策も必要ないかもしれない。
④飛ばし読み、要点読みができない
読書には以下の方法がある。
- 難解な文章や自身がすでに知っている内容を読み飛ばす。
- 主張の全体像を把握するために要点のみを読む。
紙による読書では周辺視野により、読んでいる箇所以外の文章も認識している。そのため、太文字などで強調された箇所へ目線をずらすことができる。
また、知っている内容の話題が出てきたら、次の段落へと目線をずらすことも可能だ。上記2つの方法はオーディオブックでは難しい。その理由は2つある。ひとつは、リアルタイムでしか聴き取りができないから。
もうひとつは知っている話題が出ても、次の段落を読み上げるまでの時間が分からないからだ。
オーディオブックの理想的な使い方
オーディオブックを効率よく使うならスキマ時間を埋めるような使い方がよい。書籍での読書とオーディオブックを比較すると、後者は内容を見返すことができないため、内容の理解が乏しくなりがちである。
そこでおすすめなのが他の読書方法との併用だ。手があいていれば本を読み、目が疲れたときや電子リーダーのバッテリーが残り少ない場合はオーディオブック。などと状況に応じて使い分けるのが良い。
参考:
電子書籍の読取りおよび聴き取りをした場合の脳活性化と内容理解度
電子書籍使用が前頭前野脳血流におよぼす影響
視覚と聴覚による文章の提示と記憶への影響
「見る」と「聞く」の言語理解の観察―いい加減なコミュニケーションの仕組み構築に向けて―
オーディオブックサービスの種類と料金プラン
商品数の少ないサービスは探す手間が増えるばかりか、使い勝手が悪い。そのためオーディオブックサービスとして大手を紹介することとする。
有料のオーディオブックサービス
有名なサービスは2つ。
- AmazonのAudible
- ㈱オトバンクのAudiobook.jp
以下にサービス内容を表にまとめてみたので参考にしていただきたい。
Audible | Audiobook.jp | |
無料体験 | 30日間 | 30日間 (作品制限あり) |
月額プラン :1コイン制 (月に1冊) | 月額1500円 退会後の使用可 返品可 単品価格30%オフ | – |
月額プラン :聴き放題 | – | 月額750円 作品制限あり |
月額プラン :ポイント制 (1pt = 1円) | – | 月額330円(355pt) ~月額33000円(42000pt) |
単品価格 | 1000~6000円 | 1300~3000円 |
対応デバイス | Windows,ios,Android | Windows,ios,Android |
タイトル数 | 5万点以上 | 2万7000点 (コンテンツによりPDF付属あり) |
ダウンロード | 可 | 可 |
カテゴリ | 名作文学 現代文学 時代小説 ミステリー・ホラー SF・ファンタジー 古典・神話 絵本・児童書 詩歌 自己啓発 ビジネス ライトノベル・BL・声優 落語・寄席・演芸 語学 学習・教育 科学・テクノロジー 社会・政治 | ビジネス 自己啓発 教養 語学 実用・資格 文芸・落語 ラノベ・アニメ ラジオドラマ 講演会 ロマンス |
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無料のオーディオブックサービス
無料で聴けるオーディオブックサービスを紹介する。
「青空朗読」はサイト「青空文庫」に所蔵されている著作権の切れた作品を扱う。プロのアナウンサーや朗読を学ぶ一般の方より提供されている。
朗読音声は580作品を上り現在も増え続けている。著作権の切れた小説等のテキストを読むことが可能だ。
また、「青空文庫」の作品が「青空朗読」に無い場合は、以下の記事ページを参考に音声ファイルを自作するのも一手だ。手順は、「青空文庫」の文章を読み上げサイトに貼り付けて聴く。
オーディオブックで読む本の選び方
悪い効果でもお伝えしたが、オーディオブックは複雑な文を連続でされると理解度が低下する。そういった書籍を避けるのがベストだ。
つまり、論理が少ない本や小説、ストーリーがあり話の流れをつかみやすい本をおすすめする。以上は客観的意見だ。主観的には論文や哲学書のような一文ずつ考えながら読む文章でなければ、まったく気にならない。
実用書や小説などのあなたが聴きたい本を選ぶのが良い。それが今のあなたにとって吸収率が最大になっている本だからだ。
オーディオブックの効果を増幅する7つの方法
①脳に刻み込むほど繰り返し聴く
オーディオブックを何度も繰り返し聴くことで全体像が掴めてくる。たとえ、聴いていても理解が追いつかない文章であったとしても、著者がどう主張しているかおのずと分かってくるのだ。
②本で読んだものを再読する
一度読んだ本でも忘れている箇所が必ずあるだろう。その箇所を復習する効果が期待できる。
また、オーディオブックで聴くと、読んだときとはひと味違う印象を受けることになる。なぜなら、読み手の表現が加わるからだ。その表現が記憶をより定着させるのだ。
③BGMとして聴く
オーディオブックを聴いているとインプット量が見違えるほど増える。人は何も考えていないボーッとしている時間がある。
そのスキマ時間に聞き流す用途のBGMとしてオーディオブックを聴くことで、読み上げる内容に意識が向けられ時間を有用につかえるのだ。
④倍速で聴いて情報量UP
再生速度を速めることで、単純に時間に対して得られる情報量が増える。ただ、内容によっては速すぎて理解が追いつかないこともあるので、諸刃の剣だ。
理解の具合とインプット量の増加という2つのバランスを考えると、初見のオーディオブックであれば2倍速前後が良い塩梅だろう。
⑤片耳で聴く
耳に優しく、片耳を休憩させながら聴けるという効果がある。また、外の音を片耳で聞くことで車の接近などに気づき、自身の安全性も高まる。
Bluetooth機能のついた両耳イヤホンであれば、片耳ずつ左右交互にペアリングして使用するとバッテリー節約にもなる。
⑥口ずさむ
以下の研究は、単語記憶についての論文だ。
この研究で示されたのは、
- 黙読
- ただ聴くだけ
- 自分の録音音声を聴く。
以上の3つの方法よりも、「読み上げる」方が最高の記憶をもたらすことだ。この研究を応用し、聴いた内容を自分なりに咀嚼して短い文にまとめてから読み上げることで同様の効果が得られるだろう。
⑦書き出す
口ずさむことと同様で、アウトプットと記憶には関連がある。以下の論文では、学んだことをストーリー仕立てにして書き出すことが記憶につながることが示されている。
Retrieval Practice Produces More Learning than Elaborative Studying with Concept Mapping | Science
まとめ
本記事では、オーディオブックの効果、サービス、本の選び方、効果を倍増させる方法を取り扱った。オーディオブックは工夫次第で有用に使え、あなたの読書生活を最適化してくれる。
人は体験してみて、初めて自分のものとして掴める。今まで試して見たことの無い方は、ぜひとも新しいことに挑戦してもらいたい。
オーディオブックをその一歩として使ってみて頂きたい。もしかすると、あなたは私が見いだせなかった素晴らしい効果に気づくかもしれない。
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