同じ本を何度も読む人がいるけど、どんな意味があるのかな
何度も読むとどんな効果があるのかな
最低でも何回読めばいいのかな
こんな疑問にお答えする。
本を1度読み通しただけで満足してないだろうか?
時間がないからといった理由で1度しか読まないと言う人がいるが、1度読み通しただけで全て理解できる人はひと握りしかいない。
内容を聞かれたら「なんだっけ?」となってしまう。にもかかわらず、それに気付かず興味の赴くままに次の本へと手を伸ばすのだ。
しかし、よく考えて欲しい。たった1度読んだだけで、その情報を実生活へ落とし込んで使いこなせているだろうか。
あなたにとって難しい本であればあるほど、再読の効果が指数関数的に上昇するのだ。
本の価値を存分に引き出すには30回は読むべし。
ある研究で、次のようなものがある。
1年生のゼミでデカルトの 「方法序説」 を30回読み、 理解の程度を1回ごとに記録した。
出典:繰り返しを中心とした読書方法の学習成果
それによると、 読む回数が増えるほど理解力の平均値は増した。 30回まで上がり続けている。 多くの場合最初の4、 5回でもかなり向上が見られる。
「理解を深めるのために30回程度の再読が効果的である」と読み解くことができる。この難易度の本では、4、5回の再読が理解を促す最低条件だ。
たった1回の読書では得られない意味や要素を見落とすことが分かっただろう。
1000円の本を1回読んで1000円分の価値を引き出せてない人が数多くいる中、5回読んで1000円以上の価値を引き出せることができれば、コストパフォーマンスは最大化できるはずだ。
最初から最後まで読み返すことの重要性
文章には「流れ」というものがある。この流れというものは土地という土台があって初めて基礎を作ることができ、その上へ家を建てられるようなものだ。
このことを意識せずに完成された家だけを見ていると、傾いていることにすら気付かない。
本で言えば著者の意見の前提の部分を意識することなく読み進めてしまっている状態だ。前提を理解しないまま、読み進めると応用することが出来ない。
なぜなら、前提の上に成り立っている事柄はその前提が置き換われば、全く違った結果になるからだ。
例えば、地面が斜面なのか、平坦なのかを確かめもせずに家を建てるようなものであり、斜面であれば家を建てるよりもみかん畑の方が向いている。
分からない小さな範囲を何度も読むのではなく、 資料全体を一度に読み、 それを繰り返す
出典:繰り返しを中心とした読書方法の学習成果
本を読むときは、著者の前提を確かめつつ、全体を何度も読むことが重要なのだ。
おわりに
再読することにより今まで以上に理解を深めたり、論理や物事の原因や背景を知るきっかけになり、応用力も身についてくる。
1冊を1回読むだけなのは非常にもったいないと思う。筆者のそれまで生きた分だけの知識が詰まっているのが本であるからだ。
繰り返し読むのも目が疲れる場合もあるだろう。そんなときはオーディオブックがおすすめ。目が疲れたら、オーディオブックで聴くのもいいかもしれない。
オーディオブックについてはこちら。