限られた時間で読書を進めたいのに、いつの間にか夢の中へ
活字を見ると、ウトウトしてしまう
もしかして病気?本を2行読むと寝ちゃう
こんな風に、悩んだことはないだろうか?
大抵の場合、その理由は睡眠不足で間違いない。しかし、あなたが知りたいのはそれ以外の要素だろう。
そこで、読書中に眠くなってしまう理由とその対策について紹介する。
読書をすると眠くなる理由
活字を読み始めると、1、2分も経たない内に眠気が襲ってくる。
なぜ、このようなことが起きるのか?
単純に睡眠時間が不足していることを除けば、その理由は大きく分けて3つあると考えられる。
- 脳の退屈
- 身体的な要因
- 病気
それぞれ、詳しく見ていこう。
理由①脳の退屈
人の脳は、意味や刺激が与えられない状態が続くと省エネモードになり、身体の休息を優先し始める。
つまり、退屈を感じると眠気をもらたすのだ。
本との関係性
大抵の者が一度は「つまらない本だな」と感じることがあるだろう。そう、本には「興味をそそられる本」と「つまらない本」が存在する。
その2つへの分岐点は”本とあなたの関係性”だ。
- あなたと本のレベルが合っていない
- 本の内容に興味を持てない
これらに心当たりがないだろうか?こういった本を無理に読むと、あなたの脳はちんぷんかんぷんな事柄が続き、退屈してしまう。
そうならない為に、”本とあなたの関係性”を見直してみよう。
順化
脳の退屈の要因として、次に考えられるのが、「馴化(じゅんか)」である。「順化」とは心理学の概念で、一般的には慣れと呼ばれる現象だ。
本を読み始めた当初、脳には刺激が送られていく。脳は時がたつに従って、その刺激に慣れ鈍感になってゆく。
- 単調な視線の動作
- 単調なリズム
脳の刺激への慣れには、上記のような単調さがつきものである。
読書によるリラクゼーション
最後に触れたいのが、読書自体がもらたす効果だ。2009年、イギリスのサセックス大学が発表した研究によると、読書にはリラックス効果があると言うのだ。
リラックスは、平たく言えば脳の退屈であり、睡眠への導入に欠かせない。つまりは、読書は眠たくなって当然とも言えるのだ。
理由②身体的な原因
読書時に眠くなる理由の2つ目は身体的な原因だ。
- 読書時の姿勢
- 目の疲れ
- 消化と吸収
これら3点が考えられる。
読書時の姿勢
猫背のような背中を丸める姿勢、うつむき時は呼吸が浅くなりがちで、軽い酸素欠乏を引き起こす。その結果、眠気を誘うのだ。
また、ベッドなどで横になって読書をする人がいるが、このような方は抵抗感なく眠りにつくことだろう。
目の疲れ
現代人はPCやスマホで一時も目を休めることなく、目を酷使し、疲れやすい日常に身を置いている。
目が疲れてくると、脳が休息を与えるために、眠気を促す指令を出すのだ。こうして、眠気が引き起こされる。
消化と吸収
食後は消化をするために胃腸への血流が優先される。そうして脳への血流が不足状態になる。
加えて、血糖値の上昇を抑える働きにより眠気に襲われるのだ。
理由③病気の可能性
一般的に人間の睡眠時間は7時間前後が良いと言われている。
それほどの睡眠時間を取っているにも関わらず、昼間に急な眠気に襲われる場合、睡眠不足になっていることが考えられる。
例えば、「睡眠時無呼吸症候群」による睡眠不足だ。「睡眠時無呼吸症候群」は睡眠中に無呼吸といびきを繰り返す症状をもつ。
本来であれば、十分な休息をもらたす睡眠が、その症状によって遮られると疲労感が残ってしまうのだ。
少しでも心当たりがあれば、すぐに医師に相談することを勧める。
読書の居眠り対策
ここからは読書の居眠り対策を具体的に挙げてゆく。
質の良い睡眠
結局の所、質の良い睡眠を十分に取っていることが一番重要である。
質の良い睡眠を取るには、下記の項目が効果的だ。
- 朝日を浴びる
- 適度な運動
- 枕の高さの調節
- 室内温度の調整
- 無理をせず昼寝する
- 床につく1時間前の入浴
- 決まった時間に寝る
これらを複数組み合わせることが、読書中の居眠り防止に直接結びつくのだ。
体内環境を整える
次に、体内環境を整えるというアプローチで対策しよう。
血糖値の上昇を抑える
先述のとおり、血糖値の急激な上昇が眠気をもたらす。そのため、少量の炭水化物を出来る限り時間をかけて摂取することが望ましい。
酸欠の予防
酸欠を予防するには、姿勢を整えることが必要だ。猫背を辞めまっすぐ本と向き合う。それに加えて、呼吸法も見直してみよう。
大きく息を吐き出すと、自然と大量の空気を吸い込める。
それでも、あくびが頻繁に出てしまうときは、室内環境が悪い可能性が高い。窓を開けて空気の入れ替えをしよう。
あらゆる刺激を与える
脳が興奮状態であれば、眠気は吹き飛ぶ。あらゆる刺激を与え、目を覚ます方法だ。
好奇心をかき立てる
複数の本を同時並行で読むとメリハリが付いて、程よく脳へ刺激がもらたされる。
例えば、3分経ったら次の本へ、1ページ読んだら次の本へ、などと区切るのが良いだろう。
他には、その本を読むことで得られるであろう報酬を明確にすること。わざわざ本を読むのだから、目的が必ずあるはずだ。
タイトルや目次でおおよその内容を予想して、この本で何を得られるのかを明確にしておこう。
もちろん、あなたの手に負えないようなレベルの本を選んではいけない。興味がある中でも簡単な本を選ぶと良いだろう。
目への刺激
眠くなる理由では目の疲れを挙げたが、一日中デジタル機器を見るような生活でないならば、刺激となりうる。
デジタル機器から発せられるブルーライトは、目へ直接刺激を与える。そのため、睡眠前には悪影響を与えるのだが、考え方を変えてみると、その作用で眠気を覚ますこともできる。
Kindle等で読書してみてはいかがだろうか。
場所を変える
どこで本を読むのか?も同じく刺激を与えるために有効な手段の1つである。
外出するのであれば、カフェや公園、車内などで本を開いてみよう。風を受けたり、気温などの変化を肌で感じることで刺激が変化するだろう。
室内であれば。ベッドやソファなどのリラックス出来る場所は眠気を誘いやすいため注意が必要。座るのであれは、椅子に姿勢良く座るのが良い。
室内の中でも、お風呂、もしくはお風呂上がりの読書がオススメだ。一時的に交感神経を優位にするため、脳が覚醒し読書に集中できるだろう。
お風呂での読書は下記の記事を参照しよう。
運動を組み合わせる
よほど、睡眠不足ではない限り、運動したまま眠ることは非常に難しい。
本を音読したり、重要な箇所を書き写したり、書き込みしたりと、アウトプットを意識することで目が冴える。
書き込みに抵抗がある人には電子書籍ならば、書き込んだり消したりできるためオススメだ。
二宮金次郎像のような歩きながら読書という手法は、まず眠れないから、非常に有効な手段の1つである。
また、「噛む」という運動も忘れてはいけない。食事やお菓子など何でも良いが、食事をしながら眠るのも中々難しい。
行儀の面から見ると、けっして良いとは言えないかもしれないが、効果は抜群であろう。
刺激物の摂取
最後に紹介するのは、直接的に刺激物を摂取する方法だ。
コーヒー等に含まれる「カフェイン」は、多くの家庭でも常備しているだろう。興奮作用があり、一般的にも眠気覚ましとして扱われる。
摂取後30分を目安に効果が現れてくるので、参考にしよう。他に、一般家庭にある刺激物で思いつくものを列挙しておく。
- わさび
- 唐辛子
- からし
※使用の際は少量に留めておくこと
これらの目覚まし効果は群を抜いているが、カンフル剤的な要素を備えているため、慎重に扱って頂きたい。
さいごに
読書をすると眠くなる理由とその対策について、ざっくばらんに紹介してきた。
眠気対策について重ねて言いたいのは、やはり睡眠を十分に取ることに優るものはない、ということだ。
シチュエーションによっては、全く使えない対策もあるかもしれない。
だが、1つでも多く試すことで、必ずや読書中に眠くなることが激減することを約束する。
それでは、よき読書ライフを。